原宿 「重よし 」再始動 超お弟子さんたちによる希望に溢れた船出

  • 2023-08-16
  • 2024-01-24
  • 和食
  • 422View
  • 2件

右腕お弟子さんによる再出発

師匠が逝去され、その2ヶ月後、6月1日、右腕であるお弟子さん3名によって再出発された。

再出発の前日、ご縁をいただき伺い、お弟子さんによる新たな献立をいただきました。

少し緊張の赴きの中、いつも通り、淡々と一皿、一皿がもてなされました。

再出発の献立

そら豆のゼリー寄せ カシューナッツのソース

完璧です。 そら豆のほっくりを絶品お出汁でアスピックに。

胡麻より香りが少ないカシューナッツを煎って、煮切り酒で伸ばしたソースは絶品です。

・サザエと野菜の出汁蒸し 

サザエと肝はカットされ、たっぷり入っており、シャキシャキ感が美味しさを引き立てる野菜もたっぷり。

・あじのたたき

叩きすぎず、素早く薬味(青じそ、アサツキ、茗荷、生姜)とタンタンとたたき、菜箸で味と薬味を会えるように、薬味が潰れないように手早く盛った何とも繊細なたたき。素晴らしい。

・めごちの唐揚げ

最初から醤油をからませ、生姜や胡椒をふってしっかりもみ込み片栗粉をまぶして揚げることで、ほどよく味が中までしみ込み、さくっとふっくら仕上がるのだそうです。中ふっくらです。

・蒸しあわび

この時期最上と言われる千葉県大原のまだかあわび。香りが高く、外と中の一体感ある食感と甘みがたまりません。

・沢煮椀

重よしさんの沢煮椀は、本当に美味しいです。他でもこのレベルは食べたことがありません。

野菜にシャッキリ感を残した食感とちょうど良い豚の脂のバランスが素晴らしい。

・甘手鰈の刺身

この時期の瀬戸内のあまて鰈は最高です。身が厚くて締まってして甘みが豊かです。えんがわも肝も甘い!

・長良川の鮎

まだ小ぶりな鮎もなかなかの脂があります。これから旬に向かってより身をふくよかにしていくのでしょうか。

また、重よしさんの「蓼酢」は天下一品。この蓼酢でいただくと、いろんなものが美味しくいただけそうです。

・水なすの干し海老煮

大阪の泉州なすは、そのあっさり感とみずみずしさが美味しい。

皮に包丁を入れて油で炒め、甘めのちょいピリ辛で煮浸しに。

しっかり味が染み込んで何とも言えない最高の夏ナスです。あー、美味い!

・おにぎりとしじみの赤だしとお漬物

〆は、いつもおにぎりにしてもらいます。ここのご飯が美味しすぎて、それを極上の海苔で巻いたおにぎりをつい頼んじゃいます。

ご飯粒が立っていて、何とも言えない抜群の炊き方。具は昆布と梅にしてもらいました。

大きな身のしじみのお味噌汁も殻と貝の出汁がしっかり出ており、芳醇な味わいで絶品です。

・デザート 梅ゼリー と 重よし特製ちまきアレンジ

自家製つけ梅とそのゼリー、ふるふるの柔らかい食感が優しい。

ちまきのアレンジ。ちまきを揚げて黒蜜ときなこを添えたオリジナルなちまき。

以上が、5月末、船出の献立でした。

一つ一つ丁寧に、師匠の教えに忠実に、一生懸命作っていただきました。

これから、これまでの大事な顧客たちをこれまで通り満足していただけるようにという、お三方の思いを感じるおもてなしでした。

2ヶ月半後、再訪 真夏の献立

そして、2ヶ月半ぶりに、お声がけいただき再訪しました。

お盆に伺うのは初めてかも。楽しみです。

・三寸の皿

枝豆のすり流し薄皮までしっかり取り除き、本来もつ香りと甘さを最大限に活かすため、お水で伸ばして仕上げてあります。美味しい。

蛸の小倉煮 : タコを小豆の甘さで煮る。優しい味わいです。

豆腐のもろみ漬け : 重よしさんの定番的おつまみ。醤油の搾りかすのもろみに30分ほどつけた豆腐餻。上品な極上のチーズのよう。

お供は、黒ラベルで。

・温かい生湯葉のすり流し

出来立て湯葉そのもの。身体に染み渡ります。

・鰹たたき

繊細な技の薬味が相変わらず美しい。しっかり藁で燻された最高の仕上がり。

ねっとりとした食感と鰹らしい香りが、これから始まる献立に食欲を増進させます。

・甘手鰈の唐揚げ

身がふっくらして、香りが素晴らしい。

・カニサラダ

たっぷりのズワイガニとズッキーニとウドに手作りマヨが優しく美味しい。お代わりしたいくらい。

・すっぽんのスープ

重よしさんの真骨頂と言えるすっぽんスープ。これまでに、他店で頂いたすっぽんスープとは全く別物。

体中に血液のように沁み渡り、気力回復力半端ない極上の一杯。

・日本酒 「純米大吟醸 無垢」越乃寒梅

とろりとした滑らかさと旨み。素晴らしい。

・甘手鰈の刺身

8月になっても身も熟し、甘みも増し芳醇な香りがさらに存在感ある食べ応えです。

・長良川の鮎炭火焼

大きさもしっかり一番美味しい時期になってきました。身が柔らかくふっくら。香りも抜群。

最高の蓼酢でいただきます。

・蕪と揚げの出汁煮

師匠の右腕の長・大野氏が作る椀や煮物は、世界最上級に美味しいです。

食材の食感や切り方、食材によって微細で精巧なアレンジ。出汁の美味しさを体中で味わえます。

本日は蕪とお揚げ。美味しすぎてじんわり涙が出そうになります。

・そうめん

本日は素麺が食べたくなりました。

なんでこんなに美味しく作れるのか、本当に不思議なほどレベルの差を感じる素麺の仕上がり。

透明で美しく、コシがある。時間が経っても麺同士がくっつかない不思議。氷水でのしめ方の差でしょうか。。

つゆと薬味がまた素晴らしい仕事。

・デザートは、グレープフルーツのゼリー 水ようかん

定番とも言えるグレープフルーツゼリー。 舌触り、甘さ、水分、完璧です!

水羊羹は、スプーンを入れた時点で、その軽やかさとみずみずしさに驚きます。 甘さも絶妙です。

 

ふ〜、、食べた後、身体が健康にリセットされる感覚。不思議と胃もスッキリしています。

絶品で体に良いものを食べた時の幸福感て、凄いですね。「 幸せだなぁ〜」としみじみ体感できます。

ご馳走様でした。

 

ご主人亡き後、その意志を愛弟子さんたちがしっかり継いで、重よしクオリティーを守っていらっしゃいます。

御三方とも静かな方なので、会話が飛びかう感じではないですが、いつしか”彼らの重よし”になっていったらいいなと思います。

素晴らしかったです。

また、伺える日を夢見て。

 

最後までお読みください、ありがとうございました!

 

合わせて読みたい

この国の宝、料理界の匠 2023年3月末、最も惜しむべき、お一人の料理の神匠が逝去されました。 原宿『 重よし 』 店主 佐藤憲三氏 享年78歳 1967年に名古屋にある『重よし』で5年間修行され、1972年、佐藤氏が27歳の[…]

合わせて読みたい

3つ目の人生レストランは、最高の和食 こんにちは。 運命の出会い〜 3つの人生レストラン をご紹介しています! 1. 中目黒 Bacione (バッチョーネ) - イタリア料理  〜 近くにあったら、週2,3で通う 2.[…]

*重よしさんの本「 重よしの呼吸 」には、ご主人の料理に対する思いとレシピが隠すことなく記述されています。ご主人の料理に対する誠実な考えを学び、改めて尊敬の思いです。家庭でも作れるよう分かりやすく説明されています。さすがの美味しさです。

<PR>  https://amzn.to/47LXK5o

 

店舗情報

重よし : Tel: 03-3400-4044

東京都渋谷区神宮前6-35-3 コープオリンピア 1F  /  日曜休 

営業時間 :  12:00 – 13:30 / 17:30 – 22:00 

最新情報をチェックしよう!